長野市出身兵士のご遺族から相談を受けました

信州戦争資料センターのブログを通じて、おじい様の戦時資料の内容を知りたい、というご相談がありました。センター代表が仕事の休みに行き会い、資料を拝見させていただきました。
長野市出身兵士のご遺族から相談を受けました


写真は資料の一部です。拝見させていただいたところ、大変丁寧に整理された資料でした。昭和8年に松本50連隊に徴兵検査に合格して抽選も通って入営。昭和12年から2年余り、北支や満州で治安戦に臨まれました。昭和18年に再召集されてスマトラに派遣。そのまま終戦を迎えた方でした。

勲章や国債は、昭和12年からの日中戦争で授与されたものであることをご説明しました。また、その功績で「御賜のたばこ」をいただいた様子であることもわかりました。写真の分析、妊産婦手帳と体力手帳の由来など、できる限り分析しご説明させていただきました。

ご遺族の方によりますと、おじい様は戦争のことは何も語らなかったのですが、当時の日記や整理した資料を丁寧にまとめてあったとのこと。「何か伝えたかったのではないか―。しかし中身がよくわからないままでは残念」という思いから、時代背景などをお知りになりたかったとのことです。基本的な知識ではありますが、知る限りのことをお伝えしました。

「すっきりした」とのお言葉をいただき、当時の勲章や日記、徴兵関連の資料など、多数をご寄贈いただきました。信州戦争資料センターでひとまとめにして、大切に保管させていただくことをお約束しました。

今回、出征兵士の戦時下の足取りを裏付ける資料がひとまとめに出てきました。それぞれの品がばらばらに出てきた場合に比べ、その人生を追体験しつつ時代の流れを追いかけることが可能という点で、貴重なものとなります。また、ご家族の話をうかがうことで、故人の思いをある程度推測することもできました。

まだまだ、こうした資料が埋もれていると思います。誠心誠意、向き合っていきたいとの思いを強くしました。


※こちらのブログから訪問された方は、信州戦争資料センターもお訪ねください。


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2015年11月04日 Posted by信州戦争資料センター at 19:06 │ご相談