戦争が続くと次々に庶民に影響が表れることの好例―兵隊さんを送り出せば終わりじゃない

信州戦争資料センター

2015年01月27日 23:02

 戦争になると、戦費を稼ぐ国債が乱発されますが、ほかにも行われるのが増税です。玩具や酒、清涼飲料水など、さまざまなものの税金が引き上げられていきました。庶民には、こちらも大きく影響しています。もっとも、最終的にはモノがなくなり、消費もできなくなるのですが…。こちらは昭和13年のたばこの定価表です。
 これを、昭和18年の定価表と比較してみましょう。
 種類が激減しているのがわかると思います。庶民の手軽なたばこだったゴールデンバット金鵄と名前も変わり、値段は10本入り8銭から15銭と2倍近くなっています。チェリーと改名され、10本入り15銭が45銭と3倍に! 光も11銭が30銭となっています。
そう、この定価表は「金鵄上がって15銭、栄えある光30銭…」と紀元2600年の歌の替え歌にもなった、大幅値上げ後の定価表なのです。

 しかし、値上がりはこれで終わりではありませんでした。金鵄は終戦まで製造が続きますが、最終的には35銭に上昇します。約4・4倍となって戦争が終わりました。これでたばこをやめた、という人がどれぐらいいたかは定かではありませんが、ストレスの強い戦時に、これは庶民にきつかったと思えます。

 余談ですが、改名は「敵性語」の使用を禁止したからです。たばこは政府の管轄だったため、早い時期に変更となりました。昭和18年に入って米英のレコード上演禁止一覧が登場したのを機に、一気に民間に広がります。週刊誌の「サンデー毎日」も「週刊毎日」に、雑誌「キング」は「富士」になったりしています。外国語をカタカナで日本語として取り込んできたのも、立派な日本の文化ではあると思いますが。

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