戦時下、いろんな貯蓄がありましたが「一機一艦一銭貯金―戦果発表記念貯金」とは。戦果に連動して貯金額が決まりますが…

信州戦争資料センター

2018年09月07日 23:00

 戦時下の日本では、インフレを防ぐためにさまざまな形で貯金が奨励されました。こちら、どこで使われたものかはわかりませんが「一機一艦一銭貯金 戦果発表記念貯金」なるものを入手しました。

 要綱によりますと、毎日のニュースによって敵の航空機、軍艦に与えた損害を集約し、毎月、その数に一銭をかけた額を貯金すると。戦果のとりまとめと報告は地区の翼賛壮年団が行う、大東亜戦争完結をもって終了するというもの。

 飛行機は撃墜と地上破壊、軍艦は空母、戦艦、巡洋艦、駆逐艦、潜水艦となっています。昭和18年10月から昭和19年9月分までとなっています。

 昭和18年秋といえば学徒動員やキスカ撤退、絶対国防権制定と、防戦に移っている時期。はたして景気のいい戦果で貯蓄は進んだのでしょうか。ちなみに、入手した2通は氏名が書きこまれていたにもかかわらず、無記入でした。とりまとめた戦果が大きすぎて無理がかかったのでしょうか。その逆だったのでしょうか。

2018年9月7日 記

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