日本全国の学校に作られた奉安殿。実際に空襲を受けた小県蚕業学校にも―モノクロカラー化展示会作品⑬

信州戦争資料センター

2018年07月16日 21:23

 第4回展示会「戦時下の信州教育展」に向けて、家族総出のモノクロ写真の色付け加工13回目。昭和17年ごろ撮影された、長野県の小県蚕業学校(現・上田東高校、上田市)の奉安殿です。元写真から。卒業アルバムの紙焼き写真をスキャンしました。

 こちらがAIによる自動色付けです。

 そこそこ色が付きましたので、にじんだ奉安殿の正面や石組みを修正、メリハリを出すため空に青を載せます。天気が良くて青空が真っ白に感光していると白くなりますので、逆に不自然なのです。妻と子の連携でできた修正済みがこちらです。

 この中には教育勅語と両陛下の御真影が入っていました。もともとは校内にありましたが、火災でこれらを守ろうとして殉職する教員が出るなど問題もあり、各地の学校に作られていきました。小県蚕業学校は昭和19年、空襲で全焼しますが、勅語と御真影は無事でした。そんな歴史を秘めた建物です。

2018年7月16日 記

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※WEB上でモノクロ写真をカラー写真のように加工できる、ニューラルネットワークによる自動色付けを試しています。早稲田大学の飯塚里志さま、 シモセラ・エドガーさま、石川博さま、関係各位に熱く御礼いたします。公開方法、修正方法については、東京大学教授の渡邉英徳さまにご示唆をいただきました。ありがとうございました。


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