輸入がほぼ途絶えた戦時下の日本、最後は各家庭から綿を回収して火薬作り
太平洋戦争も昭和18年にはガダルカナル島からの撤退、ソロモンの制空制海権の喪失とともに、輸送船が次々と沈められるようになります。日本国内へ入ってくる物資は急減しますが、それでも戦争を続けていったため、昭和19年ともなるとあらゆる物資が不足、さまざまな物を手当たり次第利用するようになります。こちらは昭和19年11月、全国で行った綿回収の回覧2種類です。
上のチラシは、愛媛県と大政翼賛会愛媛県支部の連名で「綿に動員下令」とあります。
火薬の原料すら家庭の綿に求めているのに「待望の神機到来」というのが泣かせます。「神鷲二人を生んだ我らが郷土愛媛です」と、初の神風特攻隊に事寄せて協力を呼び掛けています。
もう1枚は、千葉県と海軍省、内務省、軍需省、農商省の連名。赤字ではありますが「火薬用ノ古綿ヲ供出シマショウ」と淡々とした呼び掛けです。
戦争末期になりますと、同じころ取り組みが始まった松根油の採取など、効率とか考えずに、とにかく戦争のため何かをやっている状態が次々と起きてきます。神がかりでもなんでも、何かに取り組んでいる間は、不安を忘れることができたのでしょうか。
2018年3月7日 記
※このブログのコンテンツを整理したポータルサイト信州戦争資料センターもご利用ください。
上のチラシは、愛媛県と大政翼賛会愛媛県支部の連名で「綿に動員下令」とあります。
火薬の原料すら家庭の綿に求めているのに「待望の神機到来」というのが泣かせます。「神鷲二人を生んだ我らが郷土愛媛です」と、初の神風特攻隊に事寄せて協力を呼び掛けています。
もう1枚は、千葉県と海軍省、内務省、軍需省、農商省の連名。赤字ではありますが「火薬用ノ古綿ヲ供出シマショウ」と淡々とした呼び掛けです。
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日清戦争中のおもちゃ店は、やはり軍事関連が人気
徴兵は戦時下でも個々の事情に関係なく一兵卒扱い―総力戦の理解もなかった杓子定規の制度
それぞれの10月16日―同じ日付の収蔵品を並べ、大正5年から昭和21年までの戦争を挟んだ世の流れを実感
戦時下、いろんな貯蓄がありましたが「一機一艦一銭貯金―戦果発表記念貯金」とは。戦果に連動して貯金額が決まりますが…
昭和14年5月に始まった廃品回収、同年10月にあらゆる値段を固定する9・18ストップ令で1年後にはとんでもない状態に
「こんなのもあるんだよ」「いただいていいですか」「それはだめー」―でも、終戦直後の軍放出品をいただきました!
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