「戦争ト玩具展」始まりました!

「戦争ト玩具展」始まりました!

 信州戦争資料センターと公益財団法人八十二文化財団は、戦時下の実物資料を中心とした「戦争ト玩具展」を7月30日から始めました。会期は2019年7月30日―8月16日まで、平日午前9時半―午後6時、土日曜午前10時―午後5時。 開催場所はギャラリー82(長野県長野市岡田178-13)です。長野駅から徒歩でも遠くありません。入場無料。

 展示品は90点で、このうち戦時下の実物資料は86点。大正7年から昭和19年までの各種すごろく、日中戦争にあやかって作った軍事関連の変わりびな、日中戦争初期から太平洋戦争までの間に作られた装甲車や戦車、各種ゲーム、講談社の軍事関連絵本などをそろえました。当時の子どもたちの意識を伝える狙いで、長野県内の児童が日中戦争初期に書いた絵画もあります。戦争ごっこやおもちゃを題材にした国策紙芝居も展示しました。
「戦争ト玩具展」始まりました!


 大型の玩具はなかなか残っていないので、少年倶楽部付録の戦艦三笠の復刻版を組み立てました。
「戦争ト玩具展」始まりました!


 体験コーナーも用意しました。日中戦争後に発売された「平和日の丸プロペラ回し」の実物を用意しましたので、ぜひ挑戦してください。また、ノベルティグッズの軍帽(複製)もありますので、かぶって記念撮影をお楽しみください。
「戦争ト玩具展」始まりました!


 今回の展示では、解説を抑えめにして、来られる方に自由に感じてもらえればと思っています。ただ、いろんなメッセージくみ取ることもできますので、戦時下の玩具を実際に並べてみて感じたことを書いておきます。

 3つある大型の展示台のうち、一つは日中戦争初期までの玩具、もう一つは日中戦争中盤から太平洋戦争にかけてのころの玩具をまとめてあります。見比べますと、材質、色彩、内容の広がり、いずれも変化を感じられます。
 こちら、日中戦争初期まで。
「戦争ト玩具展」始まりました!


 こちら、太平洋戦争当時が中心。
「戦争ト玩具展」始まりました!


 特に色彩と太平洋戦争当時の押し付け感からは、戦争という環境が子どもたちの世界を圧迫していくさまを見ることができるでしょう。また、すごろくも同じ軍事ネタでありながら、戦争のない時期のものと戦時下のものでは雰囲気が変わります。もちろん、わずかなコレクションですべてを語れるわけではありませんが、そのわずかなものでも整理して並べると何かが見えてくるということ、大きいと思います。玩具が戦争を生むのではない、玩具が戦争に巻き込まれていくと。

 この時期、各地でさまざまな戦争関連の催しがあるかと思いますが、玩具に絞ってここまでの本物を集めた展示は、まずみられないでしょう。足を運んでよかった、と感じていただけることと思います。週末は代表が会場にいる予定ですので、気軽にお声をおかけください。

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2019年07月30日 Posted by信州戦争資料センター at 12:56 │イベント報告