時流に乗る―南京陥落に合わせて作った製薬会社の軍歌集

名古屋に本社があるから長野でも売られただろうとか考え購入したのが、製薬会社の作った販促用軍歌集。
時流に乗る―南京陥落に合わせて作った製薬会社の軍歌集
「祝・南京陥落」とページのふちにあり、昭和12年の末から13年の正月にかけて作られたものでしょう。
時流に乗る―南京陥落に合わせて作った製薬会社の軍歌集
中身は普通に軍歌で、PR入り。裏表紙は宣伝ですが
時流に乗る―南京陥落に合わせて作った製薬会社の軍歌集
模範的頭痛薬
という意味不明な形容詞を置いておいても、説明文がまた、感動ものなので全文明瞭に紹介しますと

明快な頭で銃後を守れ
男は男の、女は女の頭の働きを発揚すべき時です。頭が痛む、頭が疲れた、頭脳がボンヤリするとて休んでは居られぬ非常時です。ノーシンでいつも頭をハッキリさして、力強く銃後を守りませう。

……

頭痛かったら休もうよ(泣)

まあ、当時、物を売るため、時流に乗るというのは大事なことだというのも分かります。そりゃ、勝手に「陸軍後援」とか付けて売り込みを図ったりするやからも出たとかいいますからね。

でも、軍事にひっかけてはしゃいでいるんじゃないかとか思ってしまうのですが。

軍事も、しょせんは経済の一形態ですかねえ。


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2015年02月11日 Posted by信州戦争資料センター at 21:19 │収蔵品