戦時下において「愛国」と商品やチラシに付けるときの基準のようなものを検討してみた
日本の戦時下の資料を集めていますと「愛国」と付けた品がいろいろ出てきます。これらは、いずれも愛国貯金通帳ですが、長野県内のものやそれ以外の物もあります。戦車や飛行機を使ったデザインは似ています。で、愛国貯金通帳といっても、利息の何パーセントかを国に寄付とかいうものではないようです。あくまで「愛国貯金通帳」であって「愛国貯金」ではない様子。
こちら、長野県にあった銀行のチラシで、愛国定期預金ですが、さっぱり実態はわかりません。鉄兜と刀をあしらい、いかにも何か国の役に立つという雰囲気を出しています。しかし「貯蓄と違い最も有利な」と宣伝しているので、単なる資産運用に有利な定期預金でしかない様子です。
以上、金融関係は、それでも貯金をして浪費を防ぐことで、戦費をかせぐための円国債乱発に伴うインフレを抑える効果があり、宣伝文句として「愛国」を使うぜひはともかく、何等かの財政に貢献はしたかもしれません。
こちら、「愛国靴下型紙」はどうでしょう。
資源節約とか、自分の手で必要なものをつくればそれだけ労力をほかに向けられるとか、いえなくもないとは思いますが、かなり愛国度合があいまいに。
そして「愛国木製戸車」。日中戦争で金属が民間に流れなくなってあふれた代用品の一つ。戸車が木でできています。
こちらは、資源不足を木製で補おうとの心意気が、愛国感にあふれていますね。
ところが、よく見るとなんと! 「愛国」を登録商標にしていますよ。「愛国印優良木竹製品」とか、いいんですか、ユアサカナモノさん!
ここまでは、愛国になんらかの理由をこじつけられたのですが、この品はさっぱりわかりません。
「愛国印衛生軍隊マスク」。もはや「愛国」が「愛国印」と、単なる符牒に成り下がっている感ありです。
マスクは普通の布マスク。もしかして、薄くぺらぺらなのが、資源節約の「愛国」なのでしょうか。
戦前でも「愛国」は、文字通り安売りのオンパレードだったようです。
2018年2月12日 記
※こちらのブログから訪問された方は、信州戦争資料センターもお訪ねください。
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