昭和20年7月25日号のアサヒグラフ特集「偽装して草取り」に驚愕―笑顔に救われますが

 終戦間際の昭和20年7月25日発行のアサヒグラフ。こんな特集がありました。
昭和20年7月25日号のアサヒグラフ特集「偽装して草取り」に驚愕―笑顔に救われますが

 背中や菅笠に草を付けた農家の皆さんが草取り中です。
昭和20年7月25日号のアサヒグラフ特集「偽装して草取り」に驚愕―笑顔に救われますが

 立ち上がるとこんな感じに。
昭和20年7月25日号のアサヒグラフ特集「偽装して草取り」に驚愕―笑顔に救われますが

 横方向からの写真もあります。こちらは麦わらで偽装した女性です。
昭和20年7月25日号のアサヒグラフ特集「偽装して草取り」に驚愕―笑顔に救われますが

 立ち上がったときの笑顔は、戦争中であることを一瞬忘れさせてくれます。
昭和20年7月25日号のアサヒグラフ特集「偽装して草取り」に驚愕―笑顔に救われますが

 撮影場所は、新潟県三島郡片貝村。新潟県ではこの年の5月5日に直江津へB29が1機飛来して爆撃、3人が死亡していましたが、表情からは、緊迫感が感じられません。しかしこの後、8月1日にB29が120機あまり長岡市に来襲。死者1143人、罹災者6万人以上を出す長岡空襲、10日には新潟港への空襲が続き、終戦となりました。

 せめて、この写真が撮影されたころに戦争が終わっていれば…。ここまで国民を追い詰めて、何を守りたかったのでしょう。

2018年2月20日 記

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2018年02月20日 Posted by信州戦争資料センター at 21:33 │収蔵品